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2018年07月09日

「わらび座」で思うこと

わらび座。秋田県仙北市(旧田沢湖町)にある劇団で、あきた芸術村と称せられる中にある。ずっと気になっていたところだったが、先日初めて訪れた。
わらび座の歴史は古く半世紀を超え、団員200人を抱える劇団である。その規模や演技は宝塚歌劇団や劇団四季と比べても引けを取らない。
秋田県の角館駅から車で劇場へ向かう途中、奥羽の山々に囲まれた人口僅かなまちで、これほどの大規模劇団がどうして長く続けられてきたのかと考えていた。
当日公演されていたのは、手塚治虫原作のミュージカル「ブッダ」という演目である。
最近年齢からか、仏教にも関心を持ち仏教系の大学で公開講座など聴講したりしているので、いまの私の関心にはぴたりの演目だった。内容は触れないが、力強く、躍動感のある演技は素晴らしいものだ。
劇場駐車場には各地から来る大型バスなどの車両が並ぶ。秋田新幹線で乗り合わせた女性は、わらび座の公演を観るために金沢から来たという。平日の天候不順のこの日、劇場は満席に近い。なぜ、これほどの人がここに集まるのだろうか。
それは劇団の演技力や経営の努力があったのは言うまでもないが、地域の理解と自治体のしっかりしたまちづくりのビジョンがあったからだと思う。
翻って沼津はどうだろうか。「元気」とか、「沼津はひとつ」とか、気持ちはわかるが、まちが目指す方向性やビジョンが見えない。
6年前、私は沼津の自然と融合させた健康と文化・芸術をテーマにしたまちづくり「健康文化都市」を訴え、メッセージを送り続けた。健康と文化は産業を生み出すと。しかし、それはかなわず、私の想いは理解いただけなかった。
そのことは別にして、今も行政や議会は相変わらず、まちを元気にするのは鉄道高架化といっているが、本当にそうなのだろうか。足下をよくみてほしい。
また、市長選はリーダー選びの選択の要素がある。先日行われた市長選はまさにそうだろう。そういった意味で市長選は鉄道高架化の是非について問うたものではない。
まちづくりは、しっかりしたビジョンに基づき進めていかなければいけない。わらび座のある田沢湖のまちを訪れて強く思った。
市長や議会は、鉄道高架化がいいと思うならば、市民へ問うて見たらいい。そのくらいの気持ちや覚悟があってこそ、市民はその結果に納得し従うだろう。
(元沼津市総合計画審議会委員) 平成30年7月8日付沼津朝日新聞

  


Posted by 一太郎 at 15:27 Comments( 0 ) 沼津市政