2018年12月15日

「そのことはもういい」のか ー沼津駅鉄道高架ー

「そのことはもういい」と思う市民が多いのだろうか。「そのこと」とは、沼津駅付近鉄道高架化のことである。「もういい」という意味合いは、高架推進を求める人達にとってみると、既に決まったことで、ここまできているのでないかと。
一方、見直しを求める人達にとっては、支援した大沼明穂前市長が「再検証する」との公約を反故にした大沼ショックで、届かぬ声へのもどかしさや、あきらめを感じているのでないだろうかと。
別に本稿で、双方へこの問題を焚き付けたりするつもりはない。双方が理解し合えることが一番だとの想いから筆をとっている。
実際、この問題がここまでくると、推進派、見直し派の双方とも、「鉄道高架疲れ」で、行政の権力だけが目につき、「そのことはもういい」との思考停止になっているのでないかと思うほど。このまま鉄道高架着工では、市民の間にしこりが残ったままで、スッキリしない。そう感じるのは、私だけだろうか。
スッキリしない中で、土地収用法に基づく調査が先般行われた。そして新貨物駅予定地の地権者らは、高架認定無効の確認と原地区桃里の収用裁決事前差し止めを求めて、国や静岡県を相手に静岡地裁で係争中である。審理には、まだ時間がかかるだろうし、地裁で、どのような判断が出るにしても、原告、被告とも上級審への道が続くことで、さらに時間がかかる。
また地権者らの訴訟のほかに、市民グループの中で、鉄道高架事業の是非を問う住民投票の署名活動が、11月中旬から行われている。かつて、同様の署名活動が行われたが、市議会で否決された過去がある。住民投票の署名活動は、それ以来だが、推進派、見直し派の双方が、理解し合う方法として、遠ざけるものでない。
私は、本欄で何年もの間、鉄道高架に対する問題提起と再検証、そして民意に問うべき、と投稿してきた。また広く県民の理解もいただきたいと、他紙にも投稿してきた。しかし民意が反映されるまでに至ってはいない。
そういった意味で、住民投票は、沼津市民を一つにまとめる手段として、推進派も見直し派も、否定するものでないと思うのだが、いかがだろうか。
いずれにしても、それがかなうのは法定の署名が集まった上でのことで、なおかつ市議会の賛成が得られなければならない。市民の間にしこりを残さないためにも、ここは議員諸氏が、見識ある行動をとっていただきたいと、切に念じている。(元沼津市総合計画審議会委員 中山康之) 
平成30年12月8日付沼津朝日新聞「言いたいほうだい」


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Posted by 一太郎 at 22:29 │Comments( 0 ) 沼津市政
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