2015年03月30日
地方創生は議会の改革から
(平成27年3月29日付 沼津朝日新聞 投稿文)
統一地方選の告示が間もなくである。候補者もほぼ出揃った。その人たちの考え方や主張が本紙で掲載されるたびに目を通してきた。それぞれの出馬への抱負は、それはそれでいいのだが、「議会の改革」についてほとんど触れるものがいない。触れたとしても中味のない選挙むけのフレーズだ。今の地方議会は本当にこのままでいいのかと、真剣に問う候補者がいてもいいはずだ。
県議会や市議会を傍聴したことがあるが、その議事運営はお粗末だ。あらかじめ質問と答弁ができあがっている。傍聴していても学習発表会のようなやり取りで全く面白くない。しかも、議事は異議もなく、行政機関の追認機関であるかのようにシャンシャンで終了する。議会が形骸化しているのがすぐ分かる。
地方議会の会期は年間90日ほどで、議員は毎月決まった歳費(給与)が保障される。仕事に関わる時間と処遇を考えるとアンバランスだ。地方議会は甘い、ゆるいと言われる所以である。
そんな甘い、ゆるいところの議会であるにもかかわらず、立候補者はそこにメスを入れようとしない。しかも、市民が参加できる議会にしたいという気概すら感じない。これでは有権者の心が離れる。
国会は別であるが、地方議会は、欧米のほとんどがそうであるように、会期日数からもボランティアという考え方に立っておこなうべきである。そういう考え方に立てば、一概には言えないにしても、歳費は今のような月額報酬というのでなく、すでに福島県矢祭町でおこなっているような日当方式で充分である。日当1日3万円としても会期90日で年間270万円。今の歳費の30%ほどである。
また、議会は市民が政治に関心のもてるように、開催は夜間や土曜、日曜日にする。そうすれば、市民は傍聴しやすく、会社に勤めながら議員も務めることができる。女性や若者の関心も高まり、少ないといわれる女性の議員への進出も可能にさせる。他方、議会は議事を掘り下げるため、一問一答方式の議事運営を取り入れれば、突っ込んだやり取りで活性化する。議会の改革は工夫すればいくらでもできる。
このところ地方議員の不祥事が全国あちらこちらで起きている。兵庫県の号泣県議にみられる政務活動費の不正、東京都議会でのセクハラヤジなど、数え切れない。そのことは、地方議会の甘い、ゆるい体質が現れているともいえる。そのなかで行われる統一地方選である。
立候補者は、どうしたら市民が参加できる議会づくりができるのか、どうしたら議会の活性化になるのか、自らの考えをキッチリと選挙戦で示してもらいたい。
地方創生が声高に言われるが、まちに活力を与えるのも、与えないのも地方議会次第である。また、市民が投票所に足を運ぶかどうかもかかっている。
(投稿者 中山康之)
統一地方選の告示が間もなくである。候補者もほぼ出揃った。その人たちの考え方や主張が本紙で掲載されるたびに目を通してきた。それぞれの出馬への抱負は、それはそれでいいのだが、「議会の改革」についてほとんど触れるものがいない。触れたとしても中味のない選挙むけのフレーズだ。今の地方議会は本当にこのままでいいのかと、真剣に問う候補者がいてもいいはずだ。
県議会や市議会を傍聴したことがあるが、その議事運営はお粗末だ。あらかじめ質問と答弁ができあがっている。傍聴していても学習発表会のようなやり取りで全く面白くない。しかも、議事は異議もなく、行政機関の追認機関であるかのようにシャンシャンで終了する。議会が形骸化しているのがすぐ分かる。
地方議会の会期は年間90日ほどで、議員は毎月決まった歳費(給与)が保障される。仕事に関わる時間と処遇を考えるとアンバランスだ。地方議会は甘い、ゆるいと言われる所以である。
そんな甘い、ゆるいところの議会であるにもかかわらず、立候補者はそこにメスを入れようとしない。しかも、市民が参加できる議会にしたいという気概すら感じない。これでは有権者の心が離れる。
国会は別であるが、地方議会は、欧米のほとんどがそうであるように、会期日数からもボランティアという考え方に立っておこなうべきである。そういう考え方に立てば、一概には言えないにしても、歳費は今のような月額報酬というのでなく、すでに福島県矢祭町でおこなっているような日当方式で充分である。日当1日3万円としても会期90日で年間270万円。今の歳費の30%ほどである。
また、議会は市民が政治に関心のもてるように、開催は夜間や土曜、日曜日にする。そうすれば、市民は傍聴しやすく、会社に勤めながら議員も務めることができる。女性や若者の関心も高まり、少ないといわれる女性の議員への進出も可能にさせる。他方、議会は議事を掘り下げるため、一問一答方式の議事運営を取り入れれば、突っ込んだやり取りで活性化する。議会の改革は工夫すればいくらでもできる。
このところ地方議員の不祥事が全国あちらこちらで起きている。兵庫県の号泣県議にみられる政務活動費の不正、東京都議会でのセクハラヤジなど、数え切れない。そのことは、地方議会の甘い、ゆるい体質が現れているともいえる。そのなかで行われる統一地方選である。
立候補者は、どうしたら市民が参加できる議会づくりができるのか、どうしたら議会の活性化になるのか、自らの考えをキッチリと選挙戦で示してもらいたい。
地方創生が声高に言われるが、まちに活力を与えるのも、与えないのも地方議会次第である。また、市民が投票所に足を運ぶかどうかもかかっている。
(投稿者 中山康之)